【担当者必見】サプリメントの広告で怪しいと言われないための5つのポイントを解説!
最終更新日:2024/04/26
自社でサプリメントを開発・販売する際、正しい広告運用ができていますか。
消費者にサプリメントを購入してもらうには、その商品が信用できるものであると思ってもらえるような広告運用が必要です。
消費者の健康に影響を与えることがあるサプリメントは、ルールを守って広告運用を行わないと、法律違反になることがあるので、注意が必要です。
この記事では知らず知らずのうちに薬機法違反をしてしまわないよう、サプリメントの広告表現におけるポイントを解説していきます。
サプリメントの広告で怪しいと言われないための5つのポイント
まずはじめに、広告を見た消費者からサプリメントが「怪しい」と思われないようにするにはどうすれば良いのでしょうか?
ここでは基本的な5つの事項を説明していきます。
- 成分名を明記する
- 含有量を明記する
- 適した剤形であることを明記する
- 用法用量を指定する表記はしない
- 効能効果は必要最低限にとどめる
①成分名を明記する
「サプリメントに使える成分は、厚生労働省によって定義されています。体への影響が大きい成分や効果の強い成分は、サプリメントには使用できません。
もし、医薬品と同等の効果の強い成分が含まれている場合、薬機法違反となります。
また、「〇〇抽出物」「〇〇エキス」などの表記は、具体的にどのような成分が含まれているのか不明確です。製品の有効性や安全性に疑問が生まれる表記は避けるのが賢明です。
以下のリストに医薬品として使用される成分が記載されているため、広告を制作する際には必ず目を通すようにしましょう。
参考:厚生労働省「専ら医薬品として使用される成分本質(原材料)リスト」
②含有量を明記する
基本的に、サプリメントには栄養素を何mg配合しているかを表記する義務はありません。
そのためこうした情報を明記しているかどうかがメーカーの信頼性を判断するひとつの物差しとなります。
たとえば、一粒あたり亜鉛が〇〇mg、ヒアルロン酸〇〇mgというふうに、どの成分がどれくらい入っているのかを数字で具体的に提示することが、消費者の信頼につながります。
サプリメントの安全性や有効性を消費者に効果的に示すには、量の情報が重要なのです。
③適した剤形であることを明記する
消費者が医薬品と誤認しないよう、サプリメントは形状にも規定があります。
消費者が医薬品と誤認しないよう、以下のような形状はサプリメントには使用することはできません。
- アンプル
- 舌下錠
- 舌下に滴下するもの
- スプレー管に充填して口腔内に噴霧するもの など
④用法用量を指定する表記はしない
サプリメントは医薬品のように、用法用量を明確に指定することはできません。
用法用量を指定することで、医薬品とみなされてしまうためです。
用法用量の指定とは、以下のようなことが当てはまります。
- 飲む時間の指定
- 飲む量の指定
- 飲み方の指定
- 飲む対象の指定
用法用量に関しては、広告でもこのような表現を使用するのは避けるようにしましょう。
⑤効能効果は必要最低限にとどめる
サプリメントは、何らかの目的を持って作られたものだとしても、その目的を表現してしまうと「効果効能を謳った」ことになり、薬機法違反となります。
具体的には、「ダイエット」や「スキンケア」など、体の変化を述べてしまうとNGとなります。
また、病気の治療や症状の改善に効果的であるかのような表現も禁止されています。
商品の魅力を消費者にアピールするために、ついつい過剰な表現になってしまいがちな部分ですので、特に表現に気をつけましょう。
とはいえ、サプリメントの広告で、効能効果の表現に問題があるかどうかを自分で見極めるのは難しいのが実際です。
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サプリメントの広告で配慮が必要な理由
サプリメントの広告で配慮が必要なのは、健康被害を生じる可能性があるからです。
厚生労働省のホームページでは、、以下のような注意喚起がされています。
「無承認無許可医薬品は、日本の医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律に基づく品質・有効性・安全性の確認がなされていません。
検出された医薬品成分の含有量は、必ずしも均一でなく、いちどに摂取すると健康被害を生じるおそれがある量が含まれている場合があります。
また、不衛生な場所や方法で製造されたものであるおそれがあり、有害な不純物等が含まれている可能性が否定できません。報告されている健康被害については、検出された医薬品成分のみによるものとは限らず、そうした不純物等が関係している可能性もあります。」
サプリメントの広告に関連する法律
サプリメントを広告する際に注意すべき、以下6つの法律について解説します。
- 薬機法
- 健康増進法
- 食品衛生法
- 食品表示法
- 景品表示法
- 特定商取引法
①薬機法
サプリメントや薬機法の対象外ですが、医薬品成分を含む、または医薬品と誤解される効能効果を謳うと薬機法違反になります。
たとえば「おなかの調子を整える」と表記するのは違反です。医薬品と判断されるか否かは、専ら医薬品として使用される成分の有無、医薬品的な効能効果の標榜、形状、用法用量から総合的に判断されます。
不適切な対応は薬機法第68条違反(2年以下の懲役または200万円以下の罰金)の対象となるため、サプリメントの広告の表記では薬機法の理解が不可欠です。
②健康増進法
食品の広告では、健康の保持増進の効果等が実証されていないにもかかわらず、虚偽・誇大な広告が多く見られ、消費者の健康に重大な支障が生じるおそれがあります。
広告依頼者が第一義的責任を負いますが、広告媒体も内容が虚偽誇大であることを予見し得た場合等は責任を問われる可能性があります。
健康保持増進効果の表示に該当する表現、例えば疾病の治療・予防効果、身体機能の増強・増進効果、特定の保健用途への適合性、栄養成分の効果等は使用しないよう注意が必要です。
③食品衛生法
2018年に改正された「食品衛生法」の中で、特にサプリメント・健康食品製造・販売に大きく関わるポイントとして”健康被害”の報告の義務化が明記されました。
厚生労働省が指定する成分を含む(例:アルカロイドやホルモン様作用成分など)サプリメントや健康食品を摂取し、健康被害が発生した場合、行政へ被害情報の届け出が義務化されました。
これは、ホルモン様作用をもつ成分等が含まれているサプリメントや健康食品について、製造管理が適切でなく含有量が均一でないことや、科学的根拠に基づかない摂取目安量が設定されていることなどにより、健康被害が生じたケースがあったことが背景となっています。
④食品表示法
サプリメントのボトルや箱には、食品に含まれる成分などが記載されています。そして、この表示について規定しているのが「食品表示法」です。
たとえば、文字の大きさは原則として8ポイント以上です。表示可能面積が150cm2以下の場合は5.5ポイント以上での表示も許されています。表示可能面積とはボトルであれば側面だけでなく、蓋や底面まで含まれます。
食品衛生法第18条には、「食品表示基準に従った表示がされていない食品の販売をした者は、二年以下の懲役若しくは二百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。法人では1億円以下の罰金に処せられます。」とあります。
また、法人の場合は第2条の2に「一億円以下の罰金刑」とあります。
わかりにくい表示に関する法律ですが、法に準じて表示しないと、厳しい罰則が課せられる可能性があるため、注意が必要です。
⑤景品表示法
商品やサービスの品質・内容・価格等をいつわった表示や、過大な景品類の提供を防ぐための法令です。
たとえば最近では、洗濯機に入れると、洗剤を使った時と同レベルの洗浄効果があるとうたった商品が合理的根拠なしとされ、行政処分をくだされています。
違反した場合は、行政による措置命令や課徴金が課され、その事実が消費者庁HPやNEWS等でも一般公開されますので、正しい理解が必要です。
⑥特定商取引法
サプリメントの販売では、販売スタイルによっては「特定商取引法」の規制対象となります。
この法律は個人がネットオークションで営利目的で繰り返し販売する場合も対象になります。
主な対象は、訪問販売、通信販売、電話勧誘販売、連鎖販売取引などです。
特に事業者名や勧誘目的の事前告知、虚偽説明の禁止、重要事項の表示、契約時の書面交付などに注意が必要です。
違反すると処罰の対象となるため、法令を遵守した販売活動が求められます。
薬機法に対応した表現への言い換えポイント
それでは、薬機法に抵触することなく、サプリメントを広告していくにはどうすれば良いのでしょうか?
医薬品と誤認されない様な表現の例として、以下のようなポイントがあります。
- 客観的事実のみを伝える
- 気分の状態を使って表現する
- 身体の部位は指定せずに記載する
- 栄養補給目的である事を記載する
- 生活習慣を整える目的である事を伝える
- 健康増進目的である事を伝える
食品であるサプリメントには、下記のような表記は認められていません。
- 効果・効能について表記する
- 誇大・虚偽の内容の表記
- 医師が効能について保証していると誤解させる表記
- 身体の部位を指定した表記
身体の構造や機能に影響を与える様な記載をしてしまうと、医薬品の分類に入り込んでしまい、薬機法に抵触する事となりますので注意しましょう。
さらに商品の特徴を具体的に書きたいという方は、機能性表示食品にする事も一つの手です。
機能性表示食品にすると、機能性について表記する事ができるので、書ける範囲の幅が広がります。
サプリメントの広告事例
サプリメントの広告がうまくいき、売上向上につながった例を2つ紹介します。
あくまで参考事例のため、自社商品に適応できるかどうかは専門家の確認が必要です。
①栄養機能食品へのリニューアル
ある大手製薬会社では、サプリメントを販売する際、「視力や目 効果効能やカラダの部位に関する訴求をしたいが、薬機法規制で、『効能効果」』『部位指定』の広告表示をしたいが、表現できない」という悩みを抱えていました。
視力や目に効能があるサプリメンを販売するのに、その魅力を消費者に十分にアピールできないのでは、もったいないことです。
そこで、販売していた商品をサプリメントから栄養機能食品にリニューアルすることで、合法的に 「効能効果」「部位訴求」ができるようにしました。
商品をサプリメントから栄養機能食品にリニューアルすることによって、たとえば「栄養機能成分 ビタミンAは、夜間の視力維持に必要な栄養素です」と、効能効果が表現できるようになります。
これにより、店頭棚を拡大し、売上向上へと繋げることができました。
参考:株式会社エーエムジェー:健康食品:薬機法(旧薬事法)広告表現の改善事例
②ファン化施策へのシフト
健康食品を扱うとある老舗は、目新しい施策が思いつかず、苦境に立たされていました。
そこでまず、消費者からの信頼を得るために、商品の「ファンになってもらう」施策を企画しました。
具体的には、商品を直接的に売るのではなく、食の大切さや摂取することの重要性をターゲット層に訴えかける方向にシフトしました。
たとえば、著名な料理家とのコラボや食育サイトの運営、商品1年分のプレゼント企画など、さまざまな取り組みを4年以上にわたり実施しました。
その結果、取り組みがじわじわと世の中に浸透しはじめ、ファンとなった消費者が自ら発信するようになり、ブームが巻き起こった。
参考:株式会社陽だまり堂:【販促事例】健康食品・サプリ 法律チェックは必須!口コミを促すためにはどのような広告が必要か?
まとめ
いかがでしょうか?今回はサプリメントの広告で怪しいと言われないためのポイントを解説してきました。
サプリメントを販売していく為には、広告を通して商品の魅力を消費者にアピールする必要があります。
しかし、広告には何を書いても良いわけではなく、違反した内容は記載しない様に注意しなければいけません。広告のルールを守って、商品の魅力を存分にアピールしていきましょう。
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