医師監修は薬機法上問題になるのか?
最終更新日:2024/04/17
医師監修を依頼するには薬機法の理解が不可欠です。
自社の商品やサービスに医師監修を依頼し、売上アップを図りたい担当者は多いのではないでしょうか。
しかし、薬機法を理解しないまま話を進めてしまうと、損失をきたしかねません。
例えば、化粧品の医師監修は薬機法上禁止されています。
その一方で、健康食品やヘルスケアアプリ等は、ルールを守って医師監修を行えば、薬機法違反になることはなく、PRに活用することができます。
そこで本記事では、医師監修と薬機法の関係性について、詳しく解説します。リスクや対策ツールもお伝えし、スムーズな医師監修が依頼できるようになるため、ぜひ最後までご覧ください。
医師監修は薬機法上問題になるのか?
それでは、医師監修は薬機法上問題になるのでしょうか?
結論からお伝えすると、医師監修が問題になる場合と問題にならない場合があります。
問題になる場合とそうでない場合について、以下で詳細に解説していきます。
記事や動画などのコンテンツは問題にならない
医師をはじめとした専門家による、記事や動画などのコンテンツの監修は、アドバイスや校閲扱いになるため、問題となることはありません。
これは、コンテンツの監修は薬機法の範囲外であるからです。
例えば、何らかの疾患に関する記事を医師が監修したり、病気の解説動画で医師が監修を行うのは、合法的に許可されています。
ただし、記事や動画の中で、医薬品や化粧品などの商品を推奨したり、確実性を謳うような表現はNGとなります。
例えば、化粧品のPRで、医師に「この化粧品はヒアルロン酸が豊富に含まれているため、効果抜群です!」と、具体的な成分名を言わせたり、効果の確実性を謳わせるのは薬機法上アウトになります。
監修を依頼する医師には、注意事項として配慮して欲しい内容をできるだけ詳しく伝え、理解を得る工夫が必要です。
商品やサービスは十分な注意が必要
商品やサービスに医師監修をつける際にも、十分な注意が必要になります。
専門家が商品の効能や効果を保証するような表現がNGとされている具体的な商品は以下のとおりです。
- サプリメント
- 化粧品
- 健康食品
- ドクターズコスメ
など、これらの商品に対し、専門家が商品の効能や効果を保証するような表現はNGとされています。
例えば、プロテインのPRで、医師に「このプロテインを飲めば、誰でも筋肉が20%増量できます」とPRさせるのは、NGになります。
NGな理由については、薬機法第66条2項に明記されています。
薬機法66条2項
「第十章 医薬品等の広告
(誇大広告等)
第六十六条 何人も、医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器又は再生医療等製品の名称、製造方法、効能、効果又は性能に関して、明示的であると暗示的であるとを問わず、虚偽又は誇大な記事を広告し、記述し、又は流布してはならない。
2 医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器又は再生医療等製品の効能、効果又は性能について、医師その他の者がこれを保証したものと誤解されるおそれがある記事を広告し、記述し、又は流布することは、前項に該当するものとする。」
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=335AC0000000145
例えば、ビタミンCが豊富に含まれたサプリメントに対して、医師が「ビタミンCが豊富に含まれているため、美白効果がありおすすめです。」と謳うことは薬機法上禁止されています。
また、薬機法66条2項にあるように、医薬品や医療機器、化粧品などに関しては、共同監修や開発への監修もNGとされています。
医師監修を行いたい商品が医薬品や医療機器、化粧品など薬機法の適応になる商品に該当するのか、そうでないかを、薬機法を参照したり、弁護士に確認したりすることが大切です。
医師監修ナビでは、薬機法に精通した弁護士による、チェックサービスがあります。低単価で、LPやwebサイトが薬機法に抵触していないかを、弁護士に直接確認可能です。
詳しくはこちらをご覧ください。
目を通すべき医薬品等適正広告基準10「医薬関係者等の推せん」
解熱剤や花粉症の薬などを医師がPRしているのを見たことがある方は少ないでしょう。
これは、解熱剤や花粉症薬が医薬品に該当するため、薬機法により専門家が推薦したり、指導したりすることが禁止されているためです。
以上の点から、医薬品や医療機器、化粧品を扱う際は、薬機法に抵触しないように、十分な注意が必要です。
さらに、医薬品等の広告に対しては、医師をはじめとする専門家が推薦したり、指導したりしてはいけないことが、医薬品等適正広告基準10には示されています。
詳細については、こちらをご覧ください。
参考:厚生労働省「医薬品等広告基準の解説及び留意事項等について」
医師監修について薬機法に抵触した場合のリスク
それでは、商品やサービスに医師監修を行い、薬機法に抵触した場合、どのような罰則を受けることになるのでしょうか?
商品やサービスに医師監修を行い、薬機法に抵触した場合のリスクには、以下のようなことが挙げられます。
措置命令・中止命令が下される
厚生労働大臣又は都道府県知事から、監修を受けた商品やサービスに対して、措置命令や中止命令のどちらかが下されることがあります。
例えば、薬機法を無視して、化粧品で医師のPRを行っていた場合、厚生労働大臣又は都道府県知事から、直ちに医師によるプロモーションをやめるような指導が入ることになります。
措置命令・中止命令が下された場合、例えば薬機法に抵触している表現を用いた商品パッケージなどは、全て没収し、再度印刷を行わなければなりません。
この場合、多額の費用がかかるだけでなく、この事実が報道されると消費者からの信用も失いかねません。
課徴金が課せられる
サービスに措置命令や中止命令が下されることに加え、薬機法に違反した期間(最大3年間)×対象商品の売上額×4.5%が課せられます。
例えば、薬機法に違反した期間が3年間で、対象商品の売り上げが1億円だった場合、1億円 × 3年 × 0.045 = 1350万円の課徴金が課されることになります。
詳細については、以下の記事をご覧ください。
社会的信用が損失する
さらに、商品やサービスのユーザーをはじめ、ステークホルダーからの信用が失われてしまうことが考えられます。
商品のPRが法律に違反して行われていたとメディアで取り上げられれば、消費者からの信頼を損ない、売り上げを大幅に下げることに繋がりかねません。
さらに、大企業では株主からも大きな反感を買うことになり、経営に支障が出ることも考えられます。
医師監修を進めるうえで薬機法に対応する方法
それでは、薬機法に対応しつつ、商品やサービスに医師監修をつけ、PRする方法はないのでしょうか。
ここでは二つの方法をご紹介します。
薬機法チェックツールを利用する
一つ目は、薬機法チェックツールを利用する方法です。
チェックツールを使用することで、法規制に抵触していないかをチェックすることができます。
「医師監修ナビ」では、商品が薬機法や景品表示法に違反していないかを専門家に確認してもらうことが可能です。
広告を入稿し、広告審査に耐えられるような表現への置き換えや、対応時間の短縮などのメリットがあります。
医師推奨マークを取得する
二つ目は、医師推奨マークを取得する方法です。
医師推奨マークとは、医師に商品体験や資料のアンケートを募り、一定の水準を満たした場合に付与できるサービスです。
推奨マークをつけることにより、サービスの差別化を図ることができるメリットがあります。
例えば、健康食品を医師100人にサンプリングしてもらいます。
サンプリング結果を集計し、どれくらいの医師が商品を推奨しているのかを算出します。
算出された数字を「医師の確認付きマーク」の形で、Webサイトや店頭PopなどでPRすることができます。
医師監修ナビでは、50~100人の医師に商品を体験してもらい、基準を満たした場合、医師推奨マークをつけるサービスを行っています。
詳しくはこちらをご覧ください。
まとめ
本記事では、医師監修が薬機法上問題になるのかについてまとめました。
医師監修が薬機法上問題になるのは、商品が医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器又は再生医療等製品などの、薬機法66条2項に該当する商品である場合でした。
これらの商品を医師が監修したり、推薦したりすることは禁止されています。
薬機法を守った上で、商品に医師監修をつける方法には、以下の二つの方法がありました。
- 薬機法ツールを使うこと。
- 医師監修マークを取得することです。
こちらの二つの方法になります。
医師推奨マークは、薬機法を守った上で商品を差別化することができ、商品の 売り上げ向上に繋げることができます。
「医師監修ナビ」では、商品やサービスの売り上げ向上を支援する「医師推奨マーク」を認定する事業を行っています。
医師監修マークをつけて、商品を差別化したい場合は、こちらのページをぜひご覧ください。