【開発担当者必見】健康食品を開発する流れを1から解説します!
最終更新日:2024/05/30
健康食品の企画や開発を成功させるにはどうすれば良いか、皆さんご存知ですか?
消費者の健康に役立つ商品を製造したいと思っていても、具体的に何から始めたら良いか分からず困っている方もいるかと思います。
今回は、マーケティング戦略を念頭に置いたうえで、効率よく健康食品を開発する流れを1から解説します。
健康食品を開発する流れ
健康食品を開発する場合、企画からどのような流れで進めていくと良いのか、大まかな流れについて紹介します。
1.企画
成果を上げるための企画にはマーケティングが不可欠です。ターゲットの明確化やコンセプト決めなど、ステップを踏んで段階ごとに進める必要があります。
まずは情報収集を行います。
トレンドや顧客ニーズ、原材料データなど商品を企画するために必要な情報を収集し、まとめて分析します。
現在、健康食品は非常に多くの種類があり、一般消費者にとっては、どれを選んだらいいか悩ましい状況といえます。
そこで、健康食品のコンセプトや目的、ターゲットを明確にできれば、ライバルとの差別化が図られたオリジナル要素を見出すことが可能です。
また、健康食品のコンセプトや目的、ターゲットを明確にすることは、OEMメーカーの選定にも役立ちます。
(OEMメーカーとは、自社ではない他社ブランドの商品を製造するメーカーのことを指します。)
大まかなコンセプトが定まったら、商品の処方や成分、味・種類のラインナップ、形状(剤形やカプセルなど)、ロット数、包装やパッケージなどについて決めていきます。
OEMメーカーへ依頼する場合、具体的にどのような健康食品にするか、各項目について詳細を固めていったところで見積もりを出してもらいます。
ここでOEMメーカーと正式に契約が決まったところで次の段階『開発』に入ります。
食品に関するマーケティングについては以下の記事で詳しく解説しています。あわせてご覧ください。
2.開発
開発は主に「試作品作成⇒ テスト⇒ 検証」の3つの流れで進めます。それぞれについて詳しく説明します。
2-1.試作品作成
開発段階では、まず健康食品製造専門のOEM業者に依頼し、試作品を作成してもらうのが一般的です。
要望について仕様書の形でまとめると、OEM業者との連携がとりやすくなり、試作品までの工程がスムーズです。
2-2.テスト
試作品が完成次第、製品の安全性の確認や安定性試験などのテストを実施し、品質に問題がないか検証していきます。
安全性の管理については、検査員が原料の受け入れから最終製品に至るまでの工程について厳しく検査を行います。
厳密な検査を経て、定められた品質規格や検査項目に合格した製品のみ、商品として市場に出るようになります。
2-3.検証
テストをクリアしたのち、試作品の評価と、企画内容そのものに問題がないか等あらゆる観点で検証していきます。
検証するなかで問題があれば、該当箇所を修正した後、再び試作品を作り直す場合も珍しくありません。問題がなければ、そのまま正式な商品として製造・販売を進めていきます。
もしも健康食品の企画・開発に関する知識が乏しかったり、検証にあたりデータが不足している場合、企画開発の段階から健康食品のOEMメーカーなどに外部委託するのも一つの手です。
OEMメーカーはマーケティングデータを多く保有しており、その中でも経験豊富な会社を選べば、より優れた商品を開発できるでしょう。
健康食品の開発ではOEMへの依頼が基本
オリジナルの健康食品を自社や個人などで作ろうとする場合、製造工場立ち上げの「設備投資」や「人員の確保」「生産数の調整」など諸々の手続きをすべて自分たちで行わなければなりません。
それに対して、OEMに製造を外部委託すれば、手間のかかる手続きやコストが省略され、自分たちは商品の企画や開発、販促に集中できます。
特に健康食品やサプリメントの場合、薬機法や食品表示法などの複雑な法律が絡んでくるため、個人で開発するハードルは高いです。
さらに、個人で開発する場合、新たに製造許可や製造場所の届け出などが必要になります。
許可取得の審査時間や手間等が発生することを考慮しても、個人での健康食品やサプリメントの開発は効率的とは言えません。
OEMは製造のプロであり、製造に関する法律に精通しています。製造元としての責任を担うため、特別な許可がなくても販売が可能です。
実務経験豊富なメーカーであれば、理想の成分配合や要望への柔軟な対応が期待できます。ただし、OEMでは依頼費用が別途必要であるため、依頼内容の追求だけでなくコスト管理が必要です。
OEMに依頼する場合の費用相場
健康食品の開発をOEMに依頼する場合、原料から選定して1,000個発注するのであれば、約100万円が費用相場です。
食品OEMの費用相場について押さえるべき項目は以下のとおりです。無理のないコストでOEMに依頼する為に、企画に基づき各項目について計画を練りましょう。
- ロット数
ロット数は、1回で生産する製品の数量のことをいいます。ごく少量で製造を依頼することも不可能ではありませんが、費用としては割高です。食品の場合、最低でも10kgや100個などある一定数量のロット数が必要になります。
- 加工費
食品の場合、ほとんどが原料である食材をそのまま使えず、加工が必要です。その場合には加工費が必要になります。
- 配合成分と配合率
健康食品の場合、商品に配合されている成分とその配合率によって費用が変動します。
例えば、天然食品の場合、抽出や濃縮のような加工が必要になるものに関しては、製造費が高価になる傾向があります。
- 剤形
「特殊被膜原料」の使用、「コーティング」、「腸溶性を付加する」というような特殊な加工や工程を追加する場合、加工費が追加されます。
例えば、サプリメントについては、ソフトカプセル、ハードカプセル、錠剤などによっても加工費が変動します。
- 包装形態
包装形態すなわち"どのような容器に入れるのか"によって価格が変わります。
(パウチ、PETボトル、アルミチャック袋、ガラスボトル、ガラス瓶、樹脂ボトルなど)
小ロットの製造から対応してもらえるイージーオーダーなど、既存のサプリメントのラベルやパッケージデザインを変えることでオリジナル商品として販売する方法を選択すれば、初期費用を抑えることも可能です。
詳細な内訳やOEMメーカーの選び方については以下の記事で解説しています。
まとめ
健康食品を開発する場合、薬機法や食品表示法などの複雑な法律が絡んでくるのに加えて、製造工場立ち上げの「設備投資」や「人員の確保」「生産数の調整」など多くの手続きが必要になり、自社や個人での開発はハードルが高いとされています。
製造を外部委託すれば、こうした手間のかかる手続きが省略されるため、基本的にはOEMへの依頼がオススメです。
ただし、OEMで製造を外部へ委託する場合、依頼費用が別途必要になるため、コスト管理が必要不可欠となります。